hurachi2

暇を持て余した件の男　今日は港にふらりと出かけ　言葉はふらり見た目はズドン
ま　それはともかく顔見知りのお爺ちゃん漁師夫婦の船へ近付く。

「こんちゃー　お久しぶりぃ」　おーぉー元気しとったやぁー
網の捌きの手を止めて白髪坊主頭の大柄が目の皺深くして笑顔で迎える。
「どうな？獲れるな？」　うんにゃー駄目じゃっどー　いよ(魚）がおらんどなぁ
この爺ちゃんの漁はチコダイ狙いの刺し網　海底の岩場の周囲に網を立てる。
今までにヌリツヤトクサやヒガイをくれたり船の上では小さなツグチの仲間を採集した。
良くトゲトサカの類が掛かるので楽しみな船　今日もしゃがんで男は眺める。

うん？でっかいテングニシ！　「あーヤドカリやねぇ」　おーおー今日はそいが幾つか有ったどぉ
これはこの前テレビで喰えるち言うとったどなぁ　・・・男の目がキラリと光った・・・。

「喰ってみようかなぁ・・」　ん？おう　喰ってみらんや　ほれ　爺ちゃんが網の貝を叩き割って外す時の
ごついハンマーを投げ渡す。　コンクリートの階段の角に貝を置き殻の尖った部分を　えいやっと打ち下ろす。

ヤドカリ独特の匂いがつんとする　怪我をさせると弱るから　大きな挟みを持ってぐぐっと
引き摺り出す　むー出すと元気無くなるかもな？　袋に殻ごと放り込んで「報告すっどー」と
港を後にする　　　　　　　さて我が家のキッチン　　おっ！ちっこい魚が出てきた。
未だ生きててピンピン跳ねる　可哀想だけど水槽に水が無いので見て見ぬ振り(ノД=；)。。。

まずは観察　でっかい鋏です、水洗いすると匂いも別に悪く無い　ふむ　いけそうじゃ無いか・・・。
思わず独り言　小さい頃　魚釣りの餌と言えば鯵の切り身か小さなヤドカリ　殻を中身が潰れないように石で割り
ぷっくりとしたこのお尻の部分だけ針に掛け投げ込むと　1番に釣れるのがべラの仲間　そのベラを刻んで
付けて底の方へ落すと　かさごが釣れる　中段だと黄色と黒の縞模様のカゴカキダイに赤い体に黒点1つのネンブツ鯛
ネンブツ鯛は沢山釣れるので婆ちゃんが薩摩揚にしてくれてとても美味しい　カゴキ鯛は焼いたら旨い。
カサゴは大きければ刺身、から揚げ　小さかったらお味噌汁に最高。その頃からやどかりって白い身で美味しいかもと
思っていたので　以前泳ぎに行った海岸で貝に紛れて焼けた殻のヤドカリを齧って見たら　ありゃ美味しいと思った経験は
有ったものの　死んでからの匂いがツー.ンと臭かったりするのでなかなかお試しの機会が無かった　で今回挑戦！

頭の皮を剥くとこんな風　蟹味噌みたいなのが有ります。　真中の写真の中程黒い筋はエビの背腸と同じでしょう。
分離するとこう云う感じ　全くエビ等と変わりません　にんまりしてます。

全体はシンプルに茹でました、やはり何と言っても刺身にしなきゃ　さて感想はって？それは秘密です、安心して食べて見て下さい。
ってこれじゃレポートに成りません。生　茹で共にぷりぷり感の無いエビの味、茹でた鋏の中の身は同じヤドカリ仲間の
タラバガニとほぼ同じ美味しいです、味噌は同じくタラバと似ていて蟹には及びません。思ったより癖は無く　ちゃんと味付けして
ブイヤベース等に使えば十分いける食材だと思いました。今回は少し中途半端なまとめで申し訳無いですが（素材が当り前過ぎたか）
またのチャレンジをご期待下さい。